平屋なら坪数を抑えて家事動線が叶う|25.4坪の間取り実例つき【後悔した私が今なら選ぶ理由】

前回の記事で、「今の私がもう一度家づくりをやり直せるなら、第2希望は平屋」と書きました。今回はその理由を詳しくお話しします。

私が家を建てたとき、予算を抑えたい私と、家事動線を重視した間取りにしたい妻で意見が割れました。結果として妻の希望はほとんど採用できませんでしたが——今考えると、平屋であれば、その両方を同時に叶えられたのです。

妻の条件は「1階の家事動線」だけだった

まず整理しておきたいのは、妻の希望の中身です。妻がこだわっていたのは1階の家事動線がほとんどで、2階に関しては特に要求がありませんでした

つまり、2階建てにこだわる理由は、実はどこにもなかったのです。ここで費用を抑えつつ(家の坪数を抑えつつ)、妻の要求を満たすには、平屋が最適な答えでした。

平屋は2階建てより「約5坪」小さくできる

よく言われるのが、平屋は2階建ての家より約5坪小さくできるということです(1坪=およそ2畳)。理由は次のとおりです。

  • トイレが1個で済む → −0.5坪
  • 洗面所が1か所で済む → −0.5坪
  • 階段が不要 → −2坪
  • 2階の廊下が不要 → −2坪

合計で約5坪。坪単価が100万円なら、それだけで500万円の差になります。同じ予算でも、その分を本当に必要な部屋に回せるわけです。

階段がないことは「安全」でもある|長男が階段から落ちた日

ここまでは面積とお金の話をしてきましたが、平屋に階段がないことには、もう一つ大きな意味があります。それは安全性です。

今の家に住み始めて数か月が経った頃のことでした。当時1歳半だった長男が、自分で階段を降りようとして足を踏み外し、落下してしまったのです。私はちょうど階段を上がろうとしていたところで、目の前で自分の子どもが階段を転がり落ちてくるのを見ることになりました。

幸い、けがはたんこぶだけで済みました。それでも、あのときの光景は今も頭の中に焼き付いていて、消えることがありません。

この出来事で、私は身に染みて分かりました。子どもに何かある時というのは、本当に一瞬なんだということを。ほんの数秒、目を離した隙に、取り返しのつかないことが起こり得る。ゲートを付けていても、子どもは想像もしない動き方をします。

それ以来、私にとって階段は「便利な移動手段」ではなく「リスクのあるもの」にしか見えなくなりました。小さな子どもがいる家庭にとって、階段は毎日そこにある危険です。そして子育てが終わっても、今度は自分たち自身が年を取り、階段は再び危険な存在になります。

平屋であれば、この不安そのものが存在しません。「階段がない=2坪の節約」という数字の話だけでなく、家族の安全という、お金には換えられない価値がある——これも、私が今なら平屋を選ぶ大きな理由の一つです。

面積の使い方を工夫すれば、希望はもっと叶う

さらに、部屋の配分を工夫すれば、限られた坪数でも希望を詰め込めます。

寝室・子ども部屋は最低限に

寝室や子ども部屋の畳数を最低限にすれば、その分の坪数を他の部屋に割くことができます。寝るためだけの部屋を広くするより、家族が長く過ごす場所に面積を使うほうが合理的です。

クローゼットの位置を変えるだけでファミクロになる

これは特に大きなポイントです。多くの家では寝室にクローゼットがありますが、その位置をランドリールームの隣に配置するだけで、そのままファミリークローゼットになるのです。

洗う → 干す → たたむ → しまう、が一直線でつながる。追加の面積をほとんど使わずに、家事動線が劇的に良くなります。

子どもが1人なら、その分LDKを広く

子どもが1人の家庭であれば子ども部屋は1つで済むので、その分LDKを大きくすることもできます。家族構成に合わせて配分を変えられるのが、間取りを自分で考える面白さです。

実例|25.4坪に収めた平屋の間取り

実際に、私が今の知識で間取りを描いてみました。25.4坪に収まっています。

25.4坪の平屋間取り図(ランドリールーム・ファミリークローク付き)
私が作成した25.4坪の平屋の間取り。ランドリールーム・ファミリークローク・パントリーを備え、家事動線を優先しました

この間取りには、妻が希望していた要素がしっかり入っています。

  • ランドリールーム(2.0帖)
  • ファミリークローク(3.0帖)— ランドリールームの隣に配置
  • パントリー・家電収納
  • 土間収納(1.0帖)— シューズクローゼットの役割
  • LDK 17.5帖+洋室3部屋

洋室は5.1帖・4.6帖・4.5帖と最低限に抑え、その分を水まわりとLDKに回しています。25.4坪でここまで入る——これが、私が「平屋にすればよかった」と考える最大の理由です。ぜひ参考にしてみてください。

平屋の注意点①|「アパートっぽさ」をどう避けるか

ただし、正直にお伝えしたいこともあります。実は私も家づくりの際に一度は平屋を候補に挙げ、内見にも行きました

そのとき感じたのは——なんとなくアパートに住んでいる感じがしたということでした。せっかく戸建てを買っても、新鮮さがない。当時の私が平屋を選ばなかった理由は、正直この感覚が大きかったと思います。

庭とつながる開口部のある平屋のリビングイメージ

では、どうすればこの「アパート感」を避けられるのか。ポイントは2つあります。

  • しっかりと庭とのつながりを持つこと
  • しっかりと日射取得を考えて間取りを考えること

大きな開口部で庭とつなげれば、平屋ならではの「地面と近い暮らし」が生まれ、アパートとはまったく違う開放感が出ます。これは2階建てにはない、平屋だけの魅力です。

また、日射取得は特に重要です。周りは2階建てが多いので、平屋は影になってしまいやすいからです。どの方角から光が入るのか、隣家の高さはどうか——ここを計算せずに建てると、昼間から暗い家になってしまいます。

勾配天井・高天井で「高低差」をつくる

アパートとの違いを出すうえで、私が最も効果的だと考えているのが天井の高低差です。アパートがのっぺりと感じるのは、どの部屋も同じ高さの平らな天井だからです。

そこで、勾配天井や高天井を駆使して高低差をつける。平屋は上に部屋がないぶん、屋根の形をそのまま天井に活かせるので、実は2階建てよりも勾配天井を採用しやすいのです。これは平屋ならではの大きな強みです。

さらに、この高低差には見た目以上の効果があります。天井の低いところから高いところへ視線が抜けることで、いわゆる「トンネル効果」によって部屋を広く見せることができるのです。玄関やホールの天井をあえて低めに抑え、LDKで一気に天井を高くする——それだけで、同じ面積でも体感の広さがまったく変わります。

窓とフェンスの工夫で「カーテンのいらない家」に

もう一つ、日射取得を最大限に活かす工夫があります。それはカーテンを使わなくてよい窓の計画です。

具体的には、南側にしっかり窓を取り、掃き出し窓には目隠しフェンスを設置するという方法です。フェンスで視線を遮ることができれば、カーテンを閉める必要がなくなり、日射取得を一日中、有効に使えます

また、高窓(ハイサイドライト)を使用するのも有効です。高い位置にある窓は、そもそも外から中が見えにくいため、カーテンを使わずに日射取得を効率よくできます。周りが2階建てで影になりやすい平屋でも、高い位置からなら光を取り込みやすいという利点もあります。

私自身、南側の大窓を常にカーテンで閉め切る生活をしているからこそ、この「カーテンのいらない設計」の価値を痛感しています。せっかく光を取り込むために付けた窓を、閉ざしたまま暮らすことほどもったいないことはありません。

間取りは自分でも作れる時代

「間取りなんて素人には無理」と思うかもしれませんが、今は環境が整っています。

  • Instagramなどにたくさんの間取り実例がある
  • プロの方に図面を書いてもらうことも可能
  • WebCADのような、家の図面を描けるCADもあり、自分で図面を作成できる(無料で使える「マイホームクラウド」も提供されています)

先ほどお見せした25.4坪の間取りも、私自身がWebCADで作成したものです。専門家でなくても、これくらいは形にできます。まずは自分たちの希望を形にしてみることが、後悔しない家づくりの第一歩だと思います。

まとめ|平屋は「予算」と「家事動線」を両立できる

平屋は、坪数を抑えながら家事動線を叶えられる、非常に合理的な選択肢です。ポイントを整理します。

  • 階段・廊下・2つ目のトイレや洗面が不要で約5坪コンパクトにできる
  • 寝室や子ども部屋を最低限にすれば、水まわりやLDKに面積を回せる
  • クローゼットをランドリールームの隣に置くだけでファミリークローゼットになる
  • アパート感は庭とのつながり・日射取得・天井の高低差・カーテンのいらない窓で解消できる

当時の私は「アパートっぽい」という感覚だけで平屋を候補から外してしまいました。でも、今回挙げた工夫を知っていれば、その不安は十分に解消できたはずです。そして何より、予算を抑えたい私と、家事動線を求めた妻の希望を、同時に叶えられたかもしれません。

ただし、平屋を建てるうえで間取り以上に重要になるのが「土地選び」です。1階の面積が大きくなる平屋では、建ぺい率や駐車場の計画を間違えると、そもそも希望の間取りが入りません。この点については、次の記事で詳しくお話しします。

【次の記事はこちら】
平屋の土地選びで失敗しないために|建ぺい率と駐車場計画の考え方【実例で計算】